二つの出刃包丁

70年以上生きてると
怪我や危ない目には幾度となくあってます

バイクや、車の運転では
もちろん多々ありましたが

出刃包丁では、二つほど思い出されます

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一つ目は、まだ子供だった頃
家では、祖母が内職で出刃包丁を使っての
作業をしていました

そんなある日、私は
弟と家の中を走り回っていました
そして、祖母の側を走り抜ける拍子に

置いてあった出刃包丁、しかも刃の方を
蹴ってしまったのです

瞬間、足の親指が取れてしまうのでは
と思うほどの衝撃でした

幸いにも指が取れるような大事には至らず
病院にも行かずに治してしまいました

でも、その時の傷跡は
70歳を過ぎた今も、くっきり残ってます

もう一つは、20代初めの頃の事です
当時、会社の事務所としても使っていた
マンションに一人で寝泊まりしていました

ある深夜、突然訪ねてくる人がいました
会社関係の人だろうと軽く考え
私はうっかりドアを開けてしまったのです

ところが話が通じません
様子もどこか変

これはおかしいと思い
マンションの管理人のところへ連れて行き
さらに二人で近くの交番まで同行しました

そこで判明したのは
その男が胸に出刃包丁を忍ばせていた
という事実でした

もしあの時、私が大声を出したり
相手を刺激するようなことをしていたら
どうなっていたかわかりません

後で
背筋が冷たくなるような思いがしました

人生の道のりには
思いがけない危うい場面もあります

けれども、目には見えない守りに
助けられていることも
また多いのかもしれません

そして、今気づいたのですが
現在、家には出刃包丁がありません
ま、関係ないけど