沈黙は金、雄弁は銀

「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉がある
さらに「子は親の背中を見て育つ」という
これまた有名な言葉もある

私はこの二つを、都合良く解釈して
子育ての時に活用してきた

要するに…あまりあれこれ言わない
背中で語る、というやつである

聞こえはいいが、別の言い方をすれば
なかなかの“放任主義”だ

しかも本人は大真面目に
「これが最善」と思ってたから始末が悪い

当然、日々の生活の中で
親としての振る舞いは気にしていた…はず

嘘はつかない、約束は守る
何事も一生懸命、本気でやる

そんな姿を、子どもたちが横目で見て
何かを感じ取ってくれればいい…

そんな、ずいぶんと静かな教育方針である
結果がどうだったかは、正直わからない

ただ、子ども達は大きく道を踏み外したり
と、いう事も無く来ているように見える

ならば、それで良しと言いたいところだが
ここに来て、どうにも様子がおかしい

気付けば私は、こうして文章を書いている
それも、ぽつりぽつりではなく
やたらと言葉を並べている

考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327)
「情報過多の時代だから情報処理の技術を心得ておかないと翻弄されることになる」とは、1973年刊行の本書に書かれていること。さらに情報に振り回される現代こそ、本書の価値は高まっています。学生・新社会人も必読!「頭がいいとか悪いとか、ふだんよく...

まるで今までの沈黙を取り返すかのように

あれほど「言わない」ことに
価値を見出していた人間が、である

これは一体、どういう心境の変化なのか
単なる暇つぶしなのか

それとも、どこかで
「やはり言葉でも残しておこうかな」と
思い始めたのか

遺言というほど大げさではないが
ちょっとした“補足説明”のようなものか

長年「金」だと思い貯め込んできた沈黙を
ここにきて、せっせと「銀」に換金してる
そんな自分がいる