わっ!

昔は「わっ!」が日常にあった

今思えば、あれはちょっとしたスポーツ
のようなものだったのかもしれない

物陰に潜み、タイミングを見計らい

「わっ!」と


驚かせては喜ぶ。そんな他愛もない事を
若い頃、私と妻は時折やっていた

当然ではあるが、年齢を重ねるにつれ
この遊びは徐々に姿を消していった

理由は明白。「シャレにならない」から

若い頃なら、驚いて飛び上がっても
「おいおい!このー!」で済む

だがある程度の年齢になってくると
驚いた拍子に腰をやる可能性や
心臓によろしくない展開すら想像される

そうなると「わっ!」は娯楽ではなく
賭けになってしまう

そんな事情もあるので
近年は特に自重していた

驚かせることも、驚かされることもない
平穏無事、波風立たず。実に退屈な日常だ

…と思っていた矢先である
つい最近、妻にやられた

全く無防備の時に、突然の「わっ!」
思わず「うおっー!!!」となった

年甲斐もなく、まだこんな事をして…
と思ったが、ちょっと気になる事がある

私はどうなってもいい。むしろ
妻に驚かされて逝ってしまうなら本望だ

それも、なかなかオツな最期かも
でも、その後の事は知らないぞ