私は、特別な技術や知識は持っていないが
ひとたび何かが壊れると話は別だ
「さて、どうしたものか」と悩む前に
手はすでにドライバーを握っている
まずは分解
とにかく分解
この行為には、修理という目的以上に
ある種のロマンがある
未知の内部構造への探検、と言ってもいい
外からは整然としていた機械の中身は
開けてみると混み入って雑然としていたり
逆に、スカスカだったりする
「ああ、こうなっていたのか」と
未知のものに遭遇した感動が胸に広がる
しかし現実は甘くない
ネジ一つ外れないだけで、全てが止まる
見たこともない形状をしているネジがある
プラスでもマイナスでもない
「お前は何者だ」と問い詰めたくなる
で、それ用のドライバーを探す旅に出る
見つけた頃、当初の目的は半分忘れている
ようやく分解に成功しても
次なる試練が待っている
「どうやって外すのか分からない部品」だ
力任せにいけば壊れる
慎重すぎれば進まない
その狭間で私は自分の性格と向き合う
また、破損した部品と対面した時は
「代用品探し」という創作活動が始まる
針金や、取っておいたネジに謎のパーツ
家中に眠るガラクタたちが
一斉に候補者として名乗りを上げる
そして試行錯誤の末…
復活!
この瞬間の喜びは言葉にならない
新品を買った時の嬉しさとはまるで違う
「自分で蘇らせた」との密かな誇りもある
ただし、その後には必ず一文が付いてくる
「※この製品は自己責任で使用します」
どこにも書いていないが
心の中の説明書には、はっきり明記される
物によっては、使う度に少しの緊張が走る
「本当に大丈夫か?」と
同時に「しっかり直した」との自信もある
不安と自信が同居する、不思議な関係だ
結局の所、私は修理が好きなのではなく
「分からないものに手を突っ込む感じ」
が好きなのかもしれない
そしてこれからも…何かが壊れた時
残念な気持ちと一緒に
ちょっとだけワクワクする自分がいる
