「ピンチはチャンス」…経営をしていた頃
私はこの言葉を胸に刻んでいた
何か起きたら、とにかく前向きに解釈する
うまくいかない時こそ、進化するチャンス

ピンチ!! それはチャンスだ!
「友だちとケンカしちゃった」 「テストの点が最悪……」 「きんちょうでガチガチ! 」 「おしっこもれそう! 」 「さみしい」 ……そんなピンチの連続の毎日を救う“魔法の書"です。 小さなピンチから大きなピンチまで、 ピンチを乗り越え、さらに...
…と、まあ立派なことを言ってはいるが
実際のところどうだったか
振り返ってみると「これはピンチだった」
と言えるのは、一度だけだと思う
売上が急に40%も落ちた時である
あの時はさすがに焦った
「いよいよ来たか」と
腹をくくったのを覚えている
だが結果的には、あれこれ手を打ち
なんとか進化も出来た
ピンチをチャンスに出来た成功体験だ
だが、それ以外のピンチは思い出せない
「そんなに順風満帆だったのか?」
いや、どう考えてもそんなはずはない
経営をしていれば、問題の一つや二つ
いや十や二十はあったはずだ
資金繰り、法的問題、顧客とのトラブル…
普通なら、波乱万丈でもおかしくない
で、気づいた
私は、都合よく記憶を編集しているらしい
うまくいった事、楽しかった事だけ保存し
そうじゃない事は、きれいさっぱり削除
そんな、お目出たい人間なのかも知れない
考えてみれば、あの売上40%減の話ですら
「何かピンチがあったはずだ…」と
無理やり引っ張り出してきた記憶なのだ
あれすらも、ほぼ忘れていたのである
この“都合のいい記憶力”のおかげで
私は経営を楽しめていたのかも知れない
ピンチのほとんどを記憶に留めていたら…
私の胃に穴が開いていたかもしれない
