昔はよく
男は滅多な事では涙を見せるものではない
などと言われていた

今思えば
随分と窮屈な時代だった気もするが
当時はそれが当たり前だった

私は幸いというべきか
悔しくて泣いたとか、悲しくて泣いたとか
そういう記憶が無い
(忘れてしまっただけかもしれないが…)

そんな私にも
一つだけはっきり覚えている事がある

映画の A.I. Artificial Intelligence
を見た時だ

Amazon.co.jp: A.I. [DVD] : ハーレイ・ジョエル・オスメント, ジュード・ロウ, フランシス・オーコナー, スティーブン・スピルバーグ: DVD
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最後の場面になった時
涙腺のダムが、突然決壊した

「ぶわっ」と涙が溢れてきた

映画館ではなくDVDだったので
その後も二度ほど見返したのだが
結末が分かっていても変わらなかった

また同じ場面で、「ぶわっ」とくる
わかっているのに、毎回やられる

人それぞれ、涙のツボは違うと思う

家族の話に弱い人もいれば
動物ものに弱い人もいる

私は普段、涙もろい方ではないのだが
あの映画には、私の中にある何かを
直撃する力があったのだろう

理屈ではなく
心の奥にしまってある感情を
引っ張り出されるような感覚だ

年を重ねると、涙もろくなると言う

昔は、それを少し格好悪い
そんなふうに思っていたが、今は違う

涙が出るというのは
それだけ心がまだ動いている

私はまだ生きている。死んでいない
という事なのかもしれない