50代半ば、首が回らなくなった事がある
借金ではなく、本当に物理的に
首が回らなくなったのである
車の運転では
後方確認のたびに体ごと動かさねばならず
なかなか大変だった
右を見ようとしても
首だけでは足りず、肩から腰から
ついでに魂まで回しているような有様だ
これはいかん、と思った
そこで私は、首のストレッチを始めた
さらに、しばらく休んでいた運動も再開し
筋トレまで始めた
ストレッチ、腕立て、腹筋、ジョギング
「やはり体は鍛えねばならん」
運動不足だから、こうなってしまったんだ
と、すこぶる前向きになっていた
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そして数カ月後…
あれほど回らなかった首は
すっかり元通りになった
「へへっ、やったぜ。やっぱり運動だな」
私は一人、満足していた
ところが、その後
会社で健康相談を受ける機会があり
その時に得意げに、この武勇伝を話した
すると相談員の方に言われた
「首を痛めた時に、運動して直した人は
初めて聞きました」
そして、こう続けた
「普通は安静にします。逆療法ですね」
私は思わず「えーっ!」となった
てっきり、自分は正しい努力で勝利した
そう思っていたが、そうでは無かった
「たまたま助かっただけ」だったのだ
でも、あまのじゃくな私は
この次何かあった時も
「逆療法」に挑戦しそうな気がする

