イチヂク

5~6年前、庭に
イチヂクの苗木を植えました

「そのうち自家製イチヂクが楽しめる」と
ささやかな夢です


1~2年ほどすると
ついに実がなりました

ふっくらと色づき
「お、これは明日あたり食べ頃だな」と
収穫を楽しみに就寝

そして翌朝

……無い

実の根本だけ残し、消えていました

どうやらこの辺りに住んでいる
ハクビシンかタヌキの仕業らしい

人間が「明日食べよう」
と思うタイミングを
彼らは不思議と察知するようで

「そろそろですね」
「そろそろですね」

とでも相談しているのか
翌朝にはキッチリ回収されています

おかげで私は
1シーズンにせいぜい2~3個しか
食べられませんでした

まあ、それでも
「野生の生き物と分け合っている
 と思えば、風流なものだ」
などと、やせ我慢をしていたのですが…

問題はその後です

翌年
その翌年

今度は、一つも食べられない

「え!、どうした、どうした」
と不思議に思って、よくよく見たら

原因が分かりました

カミキリムシ


木の中に卵を産み付け
幼虫が内部を見事に食い荒らしていました

外からは普通に見えるのに
木の中はもうスカスカ。

思い返せば、その1~2年前のこと

その木のそばで
久しぶりにカミキリムシを見つけまして

子どもの頃以来だったので、思わず

「わーい、カミキリムシだぁ」懐かしい!

と、ちょっと嬉しくなったりしていました

……あの時の私に言ってやりたい

「喜んでる場合じゃないぞ」
「それ、敵の親玉だぞ」

子どもの頃は、カミキリムシは
“魅力的な昆虫”でした
しかし、こうなって分かりました

彼らは昆虫界一の
イチヂクの木大好きな
“解体業者”だったのです

しかも、無断で
しかも、内部から

おかげで我が家のイチヂクは
ハクビシンやタヌキに狙われ
カミキリムシに内部崩壊させられるという

まるで人気ラーメン店の行列状態

肝心の家主である私はというと
いまだに満足に食べられていまません

いつになったら食べられるかなぁ