悪い事ほど

「子は親の言う事は聞かないが
 親のする事は真似る」と、よく言われる

しかも厄介なことに
その“真似される部分”というのが
こちらの意図とはちょっと違っている

私は、自分で言うのも何だが
日々の行動の九割がた、いや、ほとんどは
「これは見習ってください」と
胸を張れるものだと思っている。へへ

早寝早起き、無駄遣いをしない
健康に気をつける、物を大切に扱う…
模範解答のような生活である。ホホホ

ところがである

残りのほんの一部
たとえば「たまには買っちゃえー」とか
「今日はちょっとゴロゴロするか」とか
「これは、後回しにしよう」といった
ちょっと息抜きをした時に限って
見事に真似されるのだ

しかも、その再現率が異様に高い

こちらが百回、見本となる言動をしても
ほとんど反応は無いのに
たった一回「今日は例外」と気を許すと
そこだけピンポイントでコピーされる

まるで高性能なセンサーでも
付いているかのようだ

そして、我が家の場合
その優秀なセンサーを搭載しているのは
子供だけではない

妻である

私が「節約は大事だ」と思い
日ごろから無駄遣いをしないでいても
私がたまたま衝動買いをした時に限って
見事に記憶され、後で利用される

また、私がコツコツ運動を続けていても
「今日は休養日」とソファに沈んだ瞬間
妻のハードディスク、いや
SSDにインプットされる

そんな風に、私の“良い九割”は
意識的なのか無意識なのかはわからないが
見事にスルーされ
残りの一割だけがきちんと記録される

なるべく「良い手本」の方だけを
採用していただきたいのだが
現実はなかなかそうはいかない

たまの息抜きをする時、私は思う

ああ、この部分だけはどうか
見習わないでほしい…